世の中には
「好き勝手にやらせたほうが面白い作品を作る奴」と
「がんじがらめにしたほうが面白い作品を作る奴」がいる。
私はどうやら後者らしい。
好みの展開、設定、キャラクター。
すべてぶちこんだら、見事にコケた。
ある意味で問題作。
自分の好みだけで作家商売はできないという、よい見本である。
(せめて、書き上げた2巻目は何らかの形にしたいものです)
■「農夫の剣」(魔法の王国)
雑 誌 掲 載
■「八の弓、死鳥の矢」
ネタ作りから書きおえるまで約6時間という、超速の作業。
まるで詐欺である。
それまで、こんなスピードで執筆したことはなく、これからも二度とあるまい。
若さとは偉大である。
体力の衰えを痛感する作品。
■「ルクソール退却戦」
デビューが決まって当時の編集長から短編執筆の指示。
たしか水軍の軍師の話を書いたはずである。
その原稿自体はボツになったが
「この主人公で続けて短編を書いてみてよ。50枚前後で」
と言われ
「はい」と威勢のいい返事をして、書き上げたのが本作。
原稿70枚超。しかも主人公、別人。
それでも編集長からは寛大にも
「それじゃ、この主人公でシリーズをやってみようよ」
と、ありがたいお言葉をかけていただく。
「はい」と返事をして書き上げたのは次の「架橋」という作品。
原稿枚数は守ったが
やっぱり主人公は別人。
以後、「同一主人公で」という話はカケラも出てこなくなった。
大陸モノのスタイルを決めた作品であるが
それが良かったのか悪かったのか、私には未だにわからない。
■「架橋」
■「いちばん長い夜」
■「導く女」
■「工房小話」
■「轍の記」
当時の編集長が、こう言った。
「花田くん、タイトル付けるの下手だよね」
すっごいストレート。
そのうえ、豪速球。
しかも、デッドボール。
■「ジェラルスタンの策士」
最初は前後編のつもりだった。
「まだ早い」という編集長のひと言で渋々1本にまとめてみたら
掲載号の人気投票で2位という結果に。
編集者の言うことは聞いておけ、という教訓に満ちた作品。
■「奇談ナフスパラスト」
何故に、こんなわからんちんのタイトルにしたのか。
理解に苦しむ。
「短編集になって、目次をひらいたときの見栄え」
という、しょうもないことを考えていた記憶が、おぼろげに残っている。
しかしそれでも、何故、このタイトルなのか。
「女人像奇談」でいいはずだ。
掲載誌をお持ちの方がおられたら、お手数ですが書き直しておいて下さい。
■「豪兵伝」
■「人斬り」
■「最後の仕事」
危うく、本当に「最後の仕事」になりかけた。